2010年4月18日日曜日
Herb Alpert & the Tijuana Brass『Collector's Edition』を聴く
ハーブ・アルパートの音楽に自分は、いつもどこかしら「おやつ」的なものを感じます。ラウンジ・ミュージックとして取り沙汰されたり、BGMとしてテレビ・ラジオ問わず、あちこちで耳にする機会が多かったりするけれど、その音楽をバックにすると、あらゆるものが彩り豊かな世界にみえてくるから不思議です。
こちらのCollector's Editionは『Whipped Cream & the Other Delights』『Going Places!!』『What Now My Love』の3枚をパッケージしたボックスセットなのですが、クッキー箱のようなオシャレな缶のケースで凝ったデザインながら値段は2,000円台、しかも耳馴染んだ名曲が殆ど収録されているというお得仕様で、ポップ・インストゥルメンタルファン必聴の内容。
一枚ずつ紹介していくと、『Whipped Cream & the Other Delights』の方はビートルズのカバー#1「蜜の味」に始まり、オールナイトニッポンを聴いた方なら知らない人はいないあの#4「ビタースイート・サンバ」、TBSラジオでの毒蝮三太夫さん司会でお馴染みのミュージックプレゼントのオープニングで使用されている「ホイップクリーム」のハーブ・アルパートバージョン#6といきなり名品ぞろい。ジャケットのクリームまみれにドレスアップされた女性の姿も官能的ながらポップで素晴らしい。
『Going Places!!』は#1「ティファナ・タクシー」、#4「スパニッシュ・フリー」、#6「第三の男」、#7「ウォーク・ドント・ラン」、#12「その男ゾルバ」と、これまた豪華なナンバーが並ぶ。こうして聴いていると、やはりこうも滑らかで柔らかいトランペットの音は唯一無二なのではないかと思わざるを得ない。
『What Now My Love』はフラメンコギターのイントロから始まるタイトル曲の#1からいきなり心地よい。#3「Memories of Madrid」、#5「So What's New」、#6「Plucky」、#7「Magic Trumpet」、#9「Brasillia」あたりが個人的には好み。トランペットもさることながら、アンサンブルにおいて軽やかに転がるマリンバがかなり重要なパートを占めていることにも気がついた。
近頃聴くことの多い音楽がデジタル色の強いものが多いだけに余計に感じるのかもしれませんが、例えば冒頭に少し書いたように、ラジオ、とりわけ音質の部分で制限のあるAMラジオから聞こえてくることを考えると、親しみやすいメロディがデンとセンターにあって、しかも軽やかでリズミカルなハーブ・アルパートの音楽って本当に相性が良いんだなと思ったりしました。
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