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2010年5月30日日曜日

「グリーン・ゾーン」を観た

公式サイト

ポール・グリーングラスとマット・デイモンというボーンシリーズのタッグによる、
イラク戦争を舞台とした映画「グリーン・ゾーン」を観てきました。
こちら、字幕は戸田奈津子さんです(汗)。
ずいぶん前から頻繁に予告が流れていた話題作ながら、公開から2週間が経過したこともあって、
地元の映画館ではナイトショーとしても若干空席が多めでした。

しばらく前の「ハート・ロッカー」が同じイラク戦争をテーマにした映画ということで、
未だ少なからずその余韻もくすぶる中での鑑賞でもありましたし、
撮影監督が「ハート・ロッカー」同様バリー・アクロイド氏とのことではあったものの、
さすがに映画としての肌触りはかなり違いました。

ボーンシリーズと比較しても、ストーリー展開のテンポの良さあたりに共通点はあっても、
銃撃戦などのアクションの部分で爽快感を味わうような雰囲気でもなし。
とはいえ、上映時間2時間弱でもダレることはなく、自分としては概ね楽しめる作品でした。

なんというか、序盤で込み入った話を匂わせているにしては、意外にシンプルだなあと感じた。
例えば登場人物は、役回りが枠からそれほどはみ出すことなく、きっちり定まっている。
任務に対する責任を頑なに重んじるミラー。出処の怪しい「特ダネ」に振り回されるローリー。
良識的イラクの民間人の立場を代弁するフレディ。いかにも政治家らしい老獪さを見せるアル・ラウィ。
そして、ラムズフェルドあたりを戯画化したような黒幕パウンドストーン。

そんな風に人物描写を簡潔にした分、アクションシーンは多め…なのだが、
ミラーは思ったほど派手な活躍はしていなかったような気がする。
クライマックスの市街戦のシーンも、ミラー役のマット・デイモンが何をしてたかより、
バグダッドを包む闇夜の空を旋回するヘリのモニターの方が印象に残ったし、
一番肝心な場面においてもミラーは良いところをフレディに持って行かれている。
目立った手柄は序盤の手帳ゲットとラストのレポート送付…と、思った以上に地味なのは、
単純に爽快感を期待する向きにも不満が残るかもしれません。

ただ、ラストでミラーが叫ぶ、パウンドストーンに向かってのセリフは凄い。
「こんな米国を誰が信じるんだ?」
ここまではっきりした言葉が出てくるハリウッド映画は、なかなかないような気がします。
マイケル・ムーアがこの映画を褒めているというのも、このシーンに対してのそれもあるのかもしれない。

そんな感じで、もう一度観たいかと言われると、うーん…という作品ですが、
とりあえず一回観てみる分には「グリーン・ゾーン」は充分面白い映画だと思います。
ちなみに、画面におけるブレの演出が結構多めなので、後ろの方で観ることをおすすめします。

【参考】グリーン・ゾーン - Wikipedia

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